食育だより 2021年3月号 食育は日常の中に! ご家庭でのその取り組み、実は食育になっています!
少しずつ厳しい寒さも和らぎ、暖かい春の訪れを感じられるようになりました。
昨年から流行している新型コロナウイルスにより、今までよりもご家庭で過ごす時間が増えているかと思いますが、いかがお過ごしでしょうか?
明日葉保育園でも感染症予防のため、食育活動にも配慮を行っておりますが、食育活動は保育園のみならず、ご家庭での日々の中で育まれているものであるということをご紹介させていただきたいと思います。
<食育とは?>
難しく考える必要は一切なく、「食体験」を積んでいくことです。
生まれて初めて食材に出会うのが乳幼児期。
「見る・聞く・嗅ぐ・触る・食べる」という五感を通して
食体験を積めば、それがすべて「食育」です。
<保育園で取り組んでいる食育の例>
明日葉保育園で取り組んでいる食育をご紹介します。
① 給食のお手伝い
玉ねぎの皮やとうもろこしの皮むき、キャベツの葉っぱちぎり、きのこほぐしなどのお手伝い。
実際に食材に触ることで、野菜に興味を持ちますし、調理される前の野菜の形を知る目的もあります。自分がやった!という達成感から野菜が苦手な子もパクパクと食べる姿も見られます。また、手先を動かす練習にもなり、包丁も使わないので2歳ごろのお子さんから取り組むことができる食育です。
② クッキング
幼児期になると、包丁やピーラーを使ったり、具材を炒めたりなど、クッキングに挑戦!ホットプレートを使って野菜の甘辛焼きを作った時の写真です。野菜は子どもたちに洗ってもらい、猫の手を意識しながら包丁で切ってもらいました。調味料を入れると「いいにおい~!」と言って嬉しそうな子どもたち。自分たちで作った料理は格別なようであっという間に食べ終えていました。
③ 食事のマナーや日本の行事食、野菜の旬について学ぶ
食材を使ったり料理をする以外にも、食事をする上での正しいマナーや姿勢、食具の使い方を教えたり、日本の行事食を提供し意味を学びます。また、季節ごとに旬の野菜を紹介し、食事を通して四季を感じてもらう取り組みを行っています。
<実はすでに家庭で食育は行われています!>
保育園で行っている食育を紹介しましたが、「こんな手の込んだ食育はできない…」「専門的な知識がないと出来ないのでは?」と思った方もいるのではないでしょうか。
そんなことはありません!
前にも述べたように食体験を積み重ねることが「食育」です。日々、ご家庭で過ごす食事の時間や買い物、料理中のいい匂いなど、あらゆることが子ども達の食体験を育んでいます。
そこで、ここでは日常の中で実は食育に繋がっている取り組みをご紹介します!
新しい発見とともに今後の参考になれば幸いです。
① 食事の前の準備
おもちゃを近くにおいて遊びながら、テレビを見ながらなど、“ながら食べ”になっていることはありませんか?食事の前に手を洗って席に座り、家族揃って「いただきます」をすることで、遊びと食事の切り替えができ、食事に集中できるようになります。
② 家族揃って食事をする
家族揃って食べることが食育になるの?と思った方もいるかもしれませんが、これは一番大切といっても過言ではありません。
毎日忙しく、子どもに先に食べさせてから自分たちが食事を取っているという方も多いのではないでしょうか。大切な人と食べる食事は食生活のみならず人生を豊かにします。それに加えて、食器の置き方や、順番食べ、スプーンや箸の持ち方を教えるなど、食事のマナーを教える大切な時間になります。ぜひ、家族揃って一緒に食事をしてみてください。
③ 一緒に食材を買いに行く
野菜の形を知る、野菜の名前を覚える、旬の野菜を知るなど、買い物は子どもたちにとって新しい発見がいっぱいです!
「これは自分が選んだ!」という意識が芽生え、食べ物に興味を持つきっかけにもなります。行事の前にはそれにちなんだ食材も多く並んでいるため、行事食を知ることにも繋がります。大人数で買い物に行きにくい昨今は、買ってきた食材を家で並べて見てみるのも良いでしょう。
④ 一緒に料理をしてみる、料理しているところを見せる
子どもが調理前の食材の形を知らないということがあります。保育園でも「これどうやってつくるのー?」と聞かれることがあります。一緒に料理をし、その様子を見せることで学びに繋がります。
今回は休日のおうち時間に親子で出来るカレー作りを紹介します。お子さんの年齢に合わせて工程を簡単にするなど作業内容を変えてみてください。
いかがだったでしょうか。意外にも、いつも家で何気なくやっていたことが実は食育に繋がっています。何か特別なことをしなくても、1日3食食べて生活リズムを整えることや、食事のマナー、正しい配膳や食具の持ち方などの見本を大人が見せ、それを身に付けることも家で出来る食育の一つです。無理せず出来ることから取り組むことが大切です。「食を楽しむ」ということ忘れずに!
忙しい現代では、家族揃って食事が出来ず、一人で食べる【孤食】や同じ食卓を囲んでいても食べているものが別々である【個食】になっていることがあります。前述したように、家族揃っての食事は、お子さんの心身の成長のためにとても大切です。お子さんとの食事の時間を大切にし、一緒に楽しく食事ができるといいですね。
- 2018年