2022年第一回全体研修を実施しました。
明日葉保育園では、「子どもの見る目を養う」というテーマで、全体研修を年2回実施しております。
今年度1回目の全体研修が、5月28日(土)にオンラインにて開催されました。今回は「まなざしで保育がかわる」というタイトルで、井桁 容子先生にお話をいただきました。
研修講師 井桁 容子先生(乳幼児教育実践研究家/非営利団体コドモノミカタ代表理事)
会の冒頭、「1枚の写真から読み取れることを考える」というワークがありました。各々、色々なことを1枚の写真から読み取りましたが、大切なポイントはあくまで「この写真からわかること」であり、それぞれの見方での想像や妄想で読み取ってはいけないということ。経験の長い人ほど、大体わかってしまうが、その認識は正しいとは限らない。経験を重ねた上でも、直感的・本能的・経験主義に終わらせずに、注意深く考え物事をよく見て、他者の話に耳を傾けることが大切であること、また、定期的に自分の見方を振り返り見直していく必要がある、ということを教えていただきました。
「学ぶ」ことは、子どもたちに対する「まなざし」が変わること。自身の経験にあぐらをかかずに、学び続ける姿勢が大切であると、井桁先生はおっしゃいます。
その後は保育や子どもにまつわる研究結果を交えながら、具体的な例を挙げて、子どもたちを見る「まなざし」についてご説明いただきました。
花にも色々な種類があるように、子どもたちにも個性があります。子どもたちは、花と同じように、置かれた環境で懸命に生きているため、保育者の関わりや声かけは、子どもの育ちに大きな影響を与えます。0歳児の時から、保育者が子どもたちと目を合わせて、心を通わせ想いを受け止めてもらった経験により、その後しっかり成長していくことができます。これからの保育は、みんなと同じことができる子どもを育てるのではなく、「さまざまな分野のヒーローを育てる」ことが大切です。子どもを尊重する保育とは、子どもが幸せに生きるために、その育ちを応援することであると教わりました。
これからの時代を生き抜く子どもたちには、ワンパターンではなく、状況に応じてしなやかに考えられる力が必要です。教えられたことを覚えてできるようになる、みんな同じことをするというよりも、経験を通して感じ、考え、理解できたことが、その子の力になっていきます。保育者には、子どもたちが自分で考えて最適な答えを出せるよう、育てていくことが求められています。
大切な子どもたちの育ちのために、子どもと共に笑い、手間暇をかけて育てていくこと、また、子どもや保護者をわかった気になる保育者になるのではなく、「わかろうとし続ける保育者」になりましょう、というメッセージをいただき、研修会は結びとなりました。
研修後の社員アンケートからは、「経験という視点で考え方が固くなってしまっていると今回の研修を受けて感じた」「改めて自分の子どもたちへの関わり方を客観的に考えてみる良い機会になった」という気づきや、「子どもの目を見て、子どもの気持ちを尊重し、心を通わせる保育を実践していきたい」「肯定的に関わり、子どもが発信してくれた言葉や身振りを大切にし受け止めていきたい」といった今後の前向きな抱負もたくさんいただきました。
あしたばマインドでは、2022年下半期も、「子どもの見る目を養う」をテーマに、明日葉保育園の保育の質向上を目指して、社員の学びの機会を提供してまいります。
- 2018年