【保育園×SDGs】 国連の日(10/24)に合わせ、明日葉保育園のSDGs 25選を公開
明日葉保育園は、持続可能な開発目標(SDGs)に賛同し、子どもたちに向けたSDGsの取り組みに力を入れています。
10月24日の「国連の日」にちなみ、「明日葉保育園のSDGs25選」を公開しました。目標ごとに、子ども用SDGsポスターの作成や、コンポストによる食品ロス削減、廃材を使ったSDGs工作など、さまざまな取り組みを実施しています。
明日葉保育園綱島園の園長は、「子どもにはたくさんの可能性があって、大人がそれをどう引き出してあげられるかだと思っています。『SDGsなんて子どもには分からないでしょ』で終わらせるのではなく、『子どもだから分かること、感じることがあるかもしれない』という目線に変えて、子どもの小さな経験をたくさん積み重ねていってほしいと考えています」と保育園で取り組むことの意義を語ります。
・子どもたちと一緒に取り組む 明日葉保育園のSDGs 25選
明日葉保育園では「子どもの明日を育み、今日を支える」の保育理念のもと、日々の保育に取り組んでいます。さまざまな活動を行う中の一つとして、子どもたちへのSDGsの取り組み・体験にも力を入れています。
感性豊かな幼児期にSDGsの課題を考え、解決するプロセスを体験することで、子どもたちがこれからの時代に不可欠なSDGsの本質を理解し、持続可能な社会を築いていくことにつながると考えています。
明日葉保育園の各園では、17の目標に合わせて多様な取り組みを行っています。今回、10月24日の「国連の日」にちなみ、明日葉保育園のSDGs25選を公開します。
・明日葉保育園のSDGs25選 目次
★はじめに まずはSDGsに親しんでもらう
●子ども用SDGsポスターの作成
明日葉保育園蓮根園では、SDGsの17のゴールを子どもたちにも分かりやすい文言に書き換えてポスターにしました。
例えば「2.飢餓をゼロに」は「野菜や果物を育てる」、「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」は「使わない電気はこまめに消す」、「11.住み続けられるまちづくりを」は「近隣の方に挨拶をする」など、子どもたちが日常の中で行える行動を分かりやすく示しています。
このポスターを、各クラスと玄関に貼りだし、いつでも目にとまるようにしています。
また綱島園では、「貧困ってなに?」「世界で7億人以上が1日200円で暮らしています」などと、子どもたちがSDGsの目標や世界の課題に興味を持てるようなポスターを作成しました。廊下に貼り出すことで保護者様にも関心を持っていただいています。
■明日葉保育園綱島園 仁平園長のコメント
綱島園のSDGsは、”小さなことからコツコツと“をテーマに行っています。SDGsと聞くと、なんだか難しそうで大人にとってもハードルが高く感じてしまいますが、「こんな小さなことでいいんだ」という簡単な所から始めています。
何気ない普段のやり取りの中から、「それSDGsだよ」と声をかけると、先生たちから新しいアイデアがどんどん出てくるようになります。
子どもたちにとってもSDGsは難しく感じると思いますが、まずは興味を持って楽しく体験することを目標にしています。「シーグラス遊び」の時は、担任から海の大切さについて説明しましたが、全てを理解するのは難しかったかもしれません。
でも子どもたちは活動自体をとても楽しみ、「海にこんなものが落ちているんだ!」と驚いていました。その時は分からなくても、心に残る経験をすれば、いつか振り返った時に分かるかもしれません。一方的に説明するのではなく、子どもたち自身に楽しんで経験させるということを大切にしています。
子どもにはたくさんの可能性があって、大人がそれをどう引き出してあげられるかだと思っています。「SDGsなんて子どもには分からないでしょ」で終わらせるのではなく、「子どもだから分かること、感じることがあるかもしれない」という目線に変えて、子どもの小さな経験をたくさん積み重ねていってほしいと考えています。
●SDGsビンゴの作成
明日葉保育園駒岡園では、SDGsを達成するために子どもたちができることをビンゴにしました。クリアできたら保護者の方にマルをつけてもらいます。給食を残さず食べるようになったり、資源を大切にする気持ちが芽生えたり、少しずつ子どもたちの意識が変わり始めています。
<ゴール1.貧困をなくそう>
●おにぎりアクション
「おにぎりで世界を変える」をテーマにした団体の寄付活動に取り組んでいます。おにぎりの写真をSNSや特設サイトに投稿することで、1枚あたり100円を協賛企業が提供し、アフリカやアジアの子どもたちに「給食」という形でプレゼントされるため、明日葉保育園全園で写真をSNSに投稿しています。
<ゴール2.飢餓をゼロに>
●食育プログラムによる食品ロスの削減
野菜の特徴を遊びながら学べる「野菜かるた」や、オリジナルの食育キャラクター「みらいエナジー」を活用した、明日葉保育園独自の食育プログラム「PAKUTTO」を全園で実施しています。食べ物の栄養や、食の大切さについて学ぶことで、食品ロスの削減や食文化を守ることにつながります。
(食育プログラム「PAKUTTO」:https://www.ashita-ba.jp/features/program/pakutto/)
●リトミック×食育のプログラム
音楽に合わせて自由に体を動かす「リトミック」と五感を使って育む「食育」を合わせた独自のプログラムを全園で実施しています。野菜のキャラクターが描かれた手づくりのパネルやマラカス、リトミックのメロディーや振り付けを通して、野菜が苦手な子どもたちにも楽しみながら親しみを持ってもらいます。
●畑で野菜の栽培
明日葉保育園では、子どもたち自身で小さな種から野菜を栽培し、太陽の光・水・肥料によって野菜がぐんぐん育つことを体験します。自分で野菜を育てることで、食べ物への愛着を持ち、自然の恵みや生産者への感謝の気持ちを育むことができます。
<ゴール3.すべての人に健康と福祉を>
●手作り点字ブロックの製作と体験
明日葉保育園相生園では、SDGsの本を読んだ5歳児が点字ブロックに興味を持ったことから、段ボールを使ってみんなで手作り点字ブロックを製作してみました。完成後、実際に目を閉じ、杖を使って歩いてみました。自分たちで興味を持って行った取り組みに「作るのも歩くのも難しかったけど、みんなで頑張れて楽しかった」という感想がありました。
<ゴール4.質の高い教育をみんなに>
●異文化体験プログラム「あしたばドア」の実施
Zoomを活用したライブでの国際交流と、SDGsを体験できる参加型の動画プログラムを組み合わせた「あしたばドア」を全園で実施しています。子どもたちは保育園にいながら、海外の保育園との交流を通して異文化を体験することができます。
<ゴール6.安全な水とトイレを世界中に>
●小さな水族館で節水
明日葉保育園綱島園では、子どもたちが手を洗う時にお水遊びを始めてしまい、水を大量に消費していたことから、手洗い場に手作り水族館を設置。タッパーの中に発砲スチロールと魚のおもちゃを浮かべた小さな水族館で、発砲スチロールがタッパーの上まで浮いてきたら水を止める合図。手洗いが苦手だった子も進んで手を洗うようになり、楽しんで節水に取り組めました。
●水汲み体験を通して、貧困国の子どもたちの環境を知る
明日葉保育園大倉山園では「あしたばドア」でケニアについて学び、学校に通わず、生活水を遠くの川まで汲みにいく子どもたちがいることを知りました。体重から換算し、子どもでも運べる6Lの水が入ったバケツを持って園庭を3周歩き、水汲みの体験をしてみました。夏と冬に一回ずつ行い、暑いときと寒いときに水を運ぶことの大変さを知りました。
●きれいな水を作るろ過装置の製作
明日葉保育園大倉山園では「あしたばドア」でタイの川の汚染について学んだ子どもたちが、きれいな飲み水を作るためにはどうすればいいのか、子どもたち自らが考えて調べ、手作りのろ過装置を作りました。いつも当たり前のようにきれいな水が飲めることの大切さを知り、水を大切にする意識が芽生えました。
<ゴール7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに>
●廃油の回収による油田活動
明日葉保育園では、各園でご家庭の廃油を回収し、提携企業へ提供しています。回収した廃油からバイオディーゼル燃料を生み出し、低二酸化炭素化を実現しています。
<ゴール8.働きがいも経済成長も>
●農場で働く障がい者の方々と学ぶオンライン食育プログラム
ソシオークグループで障がい者の就労支援を行う「てしお夢ふぁーむ」と、オンラインでの食育プログラムを全園で実施しています。てしお夢ふぁーむが運営する三重県の農場から保育園に水耕栽培キットを送り、子どもたちが野菜を栽培。
収穫の日には農場と園をオンラインでつなぎ、子どもたちは農場を見学したり、農場で働く障がい者の方に収穫の報告をしたりしました。栽培を通して食の大切さを学ぶとともに、全ての人が働きがいを持って働くことを考える体験にもつながりました。
<ゴール10.人や国の不平等をなくそう>
●子ども服の再利用
保育園に通う子どもたちは成長が早く、すぐに服のサイズが合わなくなってしまいます。明日葉保育園大倉山園ではサイズアウトした子ども服の寄付を募り、園の夏祭りの「リサイクルコーナー」で自由に持ち帰ってもらいました。
夏祭りで残った服は、発展途上国のワクチン寄付につながる慈善団体に寄付をしました。保護者様からは「サイズアウトした服の処分に困っていたので助かる」「他の必要な方の役に立てる取り組みに参加できて嬉しい」などの声をいただきました。
<ゴール11.住み続けられるまちづくりを>
●地域子育て支援として出前保育の実施
明日葉保育園では、地域で子育てに関わるすべての人に対し子育て支援事業を行っております。明日葉保育園武蔵新城園では、保育園を利用せず自宅で育児を行う子育て家庭に向けて、公園での「出前保育」を実施しました。
参加された地域の方からは「コロナ禍での育児に不安や孤独を感じていた中、悩みを聞いてもらえたり、少しでも子どもを見てもらえたりして本当に助かった」という声をいただきました。地域の子育て支援を行うことで、子育て家庭が安心して住み続けられる街づくりに貢献しています。
<ゴール12.つくる責任 つかう責任>
●給食の残菜をコンポストに
明日葉保育園各園で、給食の残菜を活用したいという想いから始まった取り組み。子どもたちは毎日、給食室から残菜を受け取り、コンポスト容器に入れてシャベルで混ぜます。出来上がったたい肥を園での野菜の栽培に活用することで、資源の循環を体験し、子どもたちの食育にもつながっています。
●ハンカチの玉ねぎ染め
給食の調理から出た玉ねぎの皮を使った、ハンカチのしぼり染めを実施。玉ねぎの皮を煮ると綺麗な黄色い汁ができ、ハンカチに輪ゴムを巻いてそれにつけると、自分だけの模様がついたオリジナルのハンカチができあがります。明日葉保育園蓮根園では、昨年度年長組の卒園プレゼントにしました。
●ペットボトルのリサイクル
明日葉保育園大倉山園では、子どもたちと一緒に、ペットボトルのリサイクル活動に参加。お散歩のときに廃棄のペットボトルを持参し、コンビニエンスストアに併設されたぺットボトルの回収機に投入します。乳幼児期から行うことで、リサイクルの意識を育みます。
●廃材を使ったSDGs工作
明日葉保育園では、園の活動や給食で出た廃材を、子どもたちの日々の工作に使用しています。
長津田園では、子どもたちが園の畑で育てた野菜が虫や動物に食べられてしまうことがありました。そこで子どもたちが話し合い、さまざまな廃材を使って畑に大きな「かかし」を作りあげました。
廃材は子どもたちにとってゴミではなく自由な発想や製作の幅を広げる材料となっています。
●廃棄した紙から再生紙づくり
明日葉保育園綱島園では、廃棄した紙から再生紙をつくる取り組みを実施しました。シュレッダーから出たパラパラした紙ゴミをペットボトルに詰め、水を入れて、子どもたちみんなで振ります。それを木枠に入れ、めん棒で広げて水分を抜き、日光で乾燥させると、再生紙に変身します。電気も火も使わずに紙ができることに、子どもたちは興味津々でした。
●麦ストローを使ってみる
明日葉保育園大倉山園では、保育園のSDGsの取り組みに興味を持ってくださった保護者様のお勤め先から、麦ストローをいただきました。ストローとして使うだけでなく、コンポストに入れてみるという実験を実施。
一緒に入れたプラスチックのストローはそのまま残っていましたが、麦ストローは分解されて土に還り、子どもたちも驚きでした。麦は土に還り、プラスチックは分解されず土に還らないという、子どもたちの新たな学びになりました。
●ペットボトルの廃材からアクセサリー作り
明日葉保育園大倉山園では、使い終わったペットボトルを利用して、手作りのアクセサリーを作りました。ビーズはペットボトルを切り刻んだもので、ペンダントトップは、粉砕したペットボトルのキャップを詰めて、アイロンで熱し、最後にレジンで硬化させたものです。紐の長さを調整して、ネックレスやブレスレット、ストラップとして使用できます。園児たちは大喜び。「海でゴミ拾いしたものからも作れるね!」と言っていました。
<ゴール14.海の豊かさを守ろう>
● シーグラス遊びで海の豊かさを考える
明日葉保育園綱島園では、海の豊かさについて考えるワークショップを実施。「海の豊かさを守るためにはどうしたらいいか」子どもたちに尋ねると「ゴミは持って帰る」「捨てない」など、たくさんの意見が出ました。シーグラス遊びでは「きれい!」「ハートの形みたい」と感動する姿が見られました。
<ゴール15.陸の豊かさも守ろう>
●「どんぐり銀行」の取り組み
明日葉保育園大倉山園では、高知県大川村で行われている「どんぐり銀行」の取り組みに参加しています。どんぐり銀行は、どんぐり100個で苗木1本と交換、もしくは大川村に植樹される取り組みです。園児たちは、秋になるとお散歩でたくさんのどんぐりを拾って持って帰ってくるため、大量のどんぐりを「どんぐり銀行」に預け、大川村の植樹に貢献しています。
★おわりに…集大成として、子どもたちが発表
●「大人よりもSDGsに詳しい」園児たちのSDGs発表会を実施
明日葉保育園大倉山園では、これまでの取り組みの集大成として、年長組園児による「SDGs発表会」を実施しました。園児たちは、環境問題などについて学び・取り組んだことについて、参観の保護者様を前に一人ずつ発表。園児の一人はコンポストについて「残したご飯がそのままだったら地球が泣いちゃうけど、コンポストできれいなたい肥になってお花屋さんの役に立てば、地球が喜ぶと思います」と発表しました。発表会の後には、先生から園児一人一人に向けて言葉をかけながら、SDGsの取り組みを振り返るアルバムと表彰状を授与しました。
- 2018年